『SPARK』はWhitneyをクラシック・ポップのコンテンポラリーなシンジケートとして再紹介する。その想像力豊かで愛らしい12曲は、魅力的なメロディーをペイズリー柄のディラ・ビート(Dilla beats)と豪華なエレクトロニクスで包み込んでおり、彼らの初期の作品に見られる暖かさと気楽さは保ちながら、今の新しさで輝いている。 『SPARK』の始まりは、Whitneyの2016年のデビュー・アルバム『Light Upon the Lake』の意外な成功にまで遡る。『Light Upon the Lake』の柔らかく歪んだサイケ・フォークは、2人が予想していたよりも簡単に幅広いオーディエンスに受け入れられた。結果、何年も絶え間なくツアーを続けてきた彼らは、セカンド・アルバムとなる2019年の『Forever Turned Around』でも、同じサウンドに向かわざるを得ないと感じたのだ。一方、MaxとJulienは思い切った変化が必要だともわかっていた。そして、思いもよらず、ロックダウンがそれを促進した。 「僕らには、ただ座って、リアルタイムで作品群が成長していくのを見る時間があった。より強い曲をより強く積み重ねていった」とJulienは言う。「僕らが一番好きなレコードの作り方は、最初のレコードを作ったやり方なんだ」とMaxは語る。また、二人も、この圧倒的な喪失の瞬間と無縁ではいられなかった。Maxは2020年12月、2人の共通の師であるGirlsのJR Whiteが亡くなった直後、祖父をCOVID-19で亡くした。しかし、『SPARK』の鍵は、その最も悲しい曲でさえ、全ての曲が優しいテクニカラー・ドリームのように輝いていることにある。昇華。つまり、これこそが、条件が改善されるまで十分に長く付き合うというWhitneyの能力なのだ。『SPARK』には、「煙」と「火」が頻繁に登場する。ここには、新しいものを生み出し古いものを焼き払う、という2つの意味が込められている。Whitneyの状況は様々な面で危うかったが、彼らは「過去を...干す」ことから再び始め、炎の後に、自分たち、自分たちの関係、自分たちのバンドの新鮮なヴァージョンを見出したのだ。『SPARK』は、親友同士が互いを信頼し合って一つ物を別の場所に運ぶ為の忍耐と再生、そして、その感動的な証なのだ。 こちらはカセットです。