電波の回り込みによるインターフェアの元となるコモンモード電流の存在をLEDの発光により検知出来ます。

アマチュア無線の運用により、インターフェアを起こしたり、トランシーバーでSSB送信時に、音声に回り込みを発生させて、音を濁らせてしまうコモンモード電流の検知が簡単に行えるLEDランプ付フェライトコアの出品です。目に見えないコモンモードを可視化することが出来ます。同軸ケーブルやアンテナ系機器の制御ケーブルにクリップしてご利用ください。もし、LEDが点灯する場合には、大地に対して流れるコモンモード電流が発生している可能性が考えられますので、コモンモードフィルターの導入が必要になります。また、コモンモードはHFの電波が50MhzやUVの同軸ケーブル、各種制御ケーブルから逆流して回り込む場合が有りますのでご注意下さい。

パッチンコア数個の処置では十分なコモンモード電流の排除は出来ません。TDKのパッチンコア ZCAT2035-0930Aを5D-2Vに20個及び30個取り付けてコモンモード抑止効果の測定を行いました。結果は、以下の通りです。

【20個の場合】
  3.5Mhz -15dB
    7Mhz -19dB
   21Mhz -22dB

【30個の場合】
  3.5Mhz -17dB
    7Mhz -21dB
   21Mhz -24dB

コモンモードを十分に抑え込むには少なくとも-30bB以上の減衰量は欲しいところです。減衰量を-30dBにするためには、パッチンコアは7Mhzで238個、3.5Mhzで600個必要になります。

【規格】
対応周波数: 1.9Mhz帯～50Mhz帯
対応ケーブル: 5D-2Vの太さまで
挿入減衰: コモンモードに対して約-2dB、通信信号に対しての減衰は有りません。

【注意事項 】
検知感度が高いので高出力で検知を行うとコモンモード電流が多い場合、LEDに過大な電流が流れて素子を破損する可能性があります。電力10W位から検知を開始してください。検出がない場合には高出力での運用でも全く問題ありません。

（2020年 4月 10日 14時 28分 追加）

お客様から以下のようなコメントを頂きました。

マルチバンドのアンテナで運用しているものです。これを取り付けて運用していたところ他のバンドでは問題が無かったのですが、3.5Mhzの運用時にLEDが光ってコモンモードが存在する事が分かりました。コモンモードフィルタを追加したところ、LEDは光らなくなりました。このことにより、今まで原因不明だったIP電話用アダプターの障害が無くなりました。

（2021年 5月 16日 8時 01分 追加）

LED素子をより感度の高いものに変更しました。このため、少量のコモンモードでも検知できる様になりました。2020年出荷のものと比べて、コモンモードの検出に出力10W必要であった場合、最新バージョンでは6Wで検出できる様になりました。ただし、感度が高くなったため、強く光らせたままの状態で運用すると、素子が破壊されてしまいます。ご注意下さい。コモンモードフィルターの導入を行って素子が光らなくなった場合は、取り付けたままで全く問題ありません。