このワイヤーは、一聴していきなり別次元の音質だと 瞬時に理解いたしました。29AWGにも関わらず、ものすごくワイドレンジであり、驚異的な音像上の見通しの良さなのです。広大な空間の「美」とでもいいましょうか！！DUDLOの本領をいかんなく発揮というところです。音のキレもシャープで スピード感も特筆ものです。例えばソースとしてアフリカ系スペイン人の「BUIKA / 4曲目」を聴きますと・・・6弦ベースの太くエッジの効いたはっきりした音色に驚嘆！思わず舌を巻きます。いつも聴いてるリファレンスとはまるで別の音楽のように鳴り始めました。張りの効いた超低音のパーカッションと美しく伸びるシンバル・・・ピアノの弦の共鳴がこれでもかと響き、ボーカルのウルトラハイの倍音が見事に再生されています。元々の天性の歌声に付帯している高次倍音が見事に蘇ったわけです。この楽曲は、フラメンコの様式の中で「ブレリア」というスタイルをベースとしたものですが、かなりテンポをゆったりさせた空間の広い演奏。そのたっぷりとした空気感を伸び伸びと表現する・・・そして透明感。このDUDLOには ただ事ではない ものすごい底力を感じました。

そうですね、やはりこのDUDLOでも、同じような年代のWestern Electricの存在をある意味ライバル？として 意識して書いてみますと、分解能や分析力などでは両者引けを取りませんが、このDUDLOに関して言えば、WEなどよりは全く別次元のウルトラハイ（超高域）が楽々と出ます。同年代もしくはもう少し古いWEにも、この耳に気持ちよい空気感というか超超高域はありません。WEはWEらしくまとまるというずば抜けた表現力に多いに魅力がありますが、DUDLOは、そういった「まとまり」というよりは、もっと自由奔放な表現力がありまして、ソースごとに変幻自在な様を楽しませてくれると言えるのではないのでしょうか。

それに、このワイヤー、たとえばパットメセニーのガットギターのソロなど、ものすごくメランコリックで優しい表現で歌ってくれます。所謂ピエゾPU 臭くない自然倍音率的な音質といいましょうか。ピックのビニール感も全く気にならず、すばらしいタイムトリップができます。更に、今年亡くなったギター界の世界的財産であるパコデルシア氏の名演の数々も実にすばらしい鳴り方です。とくにアルバム「Lucia」以降の録音では、レコーディング自体のクオリティーの向上もありすばらしいの一言に尽きました。このワイヤーだと師の弾いた複雑な音列と高い技術も 何を弾いているか本当に克明に聞こえてきます。助かりますよ、このすごい情報量。（笑）

一言、お宝のワイヤーです。どうぞ このワイヤーで 新しい発見をしていただきたいと思います。